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第8回:D.I.Jager氏について(3)

前回に引き続きもう少し、当時のP&Gでオランダ人社長が取り組んだ改革について話をしましょう。

このヤーガー社長は日本人社員、外国人社員の様々な思いをひとつに束ねるためにいろいろな試みやメッセージを発信しました。

当時は外国人の社員に対する日本人の反発はけっこう強く、一部の社員の間では「日本はアメリカやヨーロッパとは違う」とか「外人は日本のことは何にもわかってない」「そんなことは日本の消費者や得意先に理解されるはずがない」といったことを平気で社内で会話している状態でした。

ヤーガー社長はまず、社員と直接対話する機会を多く持ちました。そして社員全員が共通のゴールを持てるように、3年計画の「一大飛躍」プランを発表し、そのメッセージの中で、「アメリカのP&Gでもなく、ヨーロッパのP&Gでもなく私達は日本の消費者にとってベストなものを提供するためにP&Gジャパンが存在すること」を明確に打ち出したのです。

また、四半期ごとにマネージャーを集めて、「一大飛躍プラン」の進捗を報告していったのです。当時社長との直接対話を提供することなど非常にまれでしたから、特にミドルマネージャーたちはおおいにモチベイトされたものでした。さらにこの社長のコミュニケーションスタイルは直接担当者の所に出向いて話を聞く、というスタイルでしたから、ある部署の担当者の所に突然社長がきて話をして帰るということが日常茶飯事でした。まさに「Walk the Talk」を実践していたのでした。

こういった試みやコミュニケーションのスタイルは徐々に社員の間にも広がり次第に社員たちの中に、「日本人でも外国人でも日本のビジネスを成功させたい思いはひとつなんだ」「上下のポジションにかかわりなく、直接対話することがあたりまえのこと」といったカルチャーが生まれてきたのです。結果として、社内のコミュニケーションは良くなり、ビジネスの進捗がわかるようになり、各自にオーナーシップが芽生え始めて、日本のP&GはあっというまにTurn aroundを成し遂げることができたのです。